
もしも現在の職場に不満があるなら、いっそのこと転職をするのもひとつの解決策です。
しかし、実際にはさまざまな問題があって転職をためらってしまう人も少なくありません。
自分の悩みに向き合うことで、転職をする決心は固まっていきます。
この記事では、具体例を挙げながらエンジニアの転職にまつわる悩みを解説していきます。
好条件で転職できるかどうか不安に感じてしまう

エンジニアのような専門職では、スキルが収入や役職に直結しています。
経験が豊富で、さまざまなスキルを身につけたエンジニアが好待遇を受けられるのは当然だといえるでしょう。
逆をいえば、若手エンジニアはまだまだ「修行中」ともいえるので、よほどの成果を出さないと急に待遇はよくなりません。
そのため、「転職をしても好条件で迎えてくれる企業があるだろうか」という悩みへとつながります。
現状よりも収入や役職が低くなってしまうことを恐れて、ためらっているエンジニアは多いでしょう。
社内評価より社外評価が重要
ただし、こうした悩みはあくまで「社内評価」に基づいています。
社内評価とは、現在勤めている会社から受けている評価のことです。
社内評価が低いと、多くのエンジニアは「自分はまだまだ未熟だ」と思い込んでしまいます。
しかし、会社の外に視野を広げてみると、自分が思っていたよりも自分の価値は高い可能性があるのです。
転職において重要なのは社内評価ではなく、志望先からの「社外評価」だといえるでしょう。
自分の市場価値を正確に把握する
社外評価を知り、自分の市場価値を正確に把握することで転職活動の効率は上がります。
自分の実力に自信が持てるので、現在よりもランクが上の会社も迷わず志望できるからです。
ただし、根拠のない自信だけで「自分の市場価値は高い」と思い込んでいても、なかなか志望先から採用はしてもらえません。
客観的に実力を評価してもらうには、エンジニア同士のセミナーや勉強会に顔を出して他人の意見を求めるのもひとつの方法です。
また、エンジニア関連の資格を取得するのも、自己評価を高めることにつながります。
なお、特に誇らしいキャリアやスキルのないエンジニアでも、志望先とのマッチング次第では好条件で転職可能です。
採用担当者から人間性を評価されたり若さに注目されたりするケースです。

転職先の労働環境が気になってアクションを起こせない

会社によっては、エンジニアの仕事は多忙を極めます。
基本的には、納期を絶対的に守らなければいけない業務なので、スケジュールに拘束されてしまうことも珍しくありません。
作業の進捗次第では、残業や休日出勤が日常化している企業もたくさんあります。
こうした環境に勤めているうち、「もっと余裕を持って働ける場所に転職をしたい」と考え始めるエンジニアもいるでしょう。
しかし、転職でよってより劣悪な職場に移るリスクを思うと、なかなか行動を起こせなくなってしまいます。
企業研究をしよう
解決策の例として、「企業研究」が挙げられます。
イメージや表面的な募集要項だけでなく、しっかりと志望先の労働環境をリサーチしておきましょう。
口コミや転職サイトでのレビューを検索するのも得策です。
また、企業によってはセミナーや就職説明会も開催しているので、参加してみるのも実態を把握するきっかけになりえます。
これらの会場には実際に働いている社員もいるので、話しかけてみると企業のおおよその雰囲気をつかむことも可能です。
現場を直接確認する
また、転職面接にまで進んだ場合は、現場を直接確認するチャンスです。
多くの面接はオフィスで行われるため、目に映る範囲で環境をチェックしておきましょう。
すれ違う社員たちの様子にも注目です。
もしもエンジニアが生き生きと過ごしているようなら、転職後も余裕を持って働ける確率が高くなります。
逆に、エンジニアが疲弊しているようなら、転職してもストレスの大きい労働を強いられるリスクがあるでしょう。
労働条件のすり合わせ
そして、人事担当者とあらかじめ労働条件のすり合わせをしておくことも大切です。
あまり露骨に「休みがほしい」「残業をしたくない」と訴えかけるのは逆効果であるものの、1日のスケジュールを聞く程度であれば担当者からの印象は悪くなりません。
必要に応じて、リモートワークなどの選択肢を検討するなど、健康を守れる働き方を担当者と考えていきましょう。
転職活動をどのように進めていけばいいのかわからない

そもそも転職活動の手順がわかっていないエンジニアも、転職に踏み切れなくなってしまいます。
スケジューリング
あくまでも一例ではあるものの、エンジニアの転職活動は「スケジューリング」から始めましょう。
いつまでに新しい職場を決め、現在の職場の引き継ぎを完了させるかといったイメージがあると、活動ははかどるからです。
なお、焦る必要はないものの、あまり時間をかけすぎても金銭的に苦しくなっていきます。
3~6カ月ほどが転職活動の目安となるでしょう。
自己分析
次に、「自己分析」を行います。
自己分析とは、自分の適性や性格、希望などを客観的に洗い出していく作業です。
エンジニアとしてどのような仕事ができるのか、アピールポイントをしっかりと把握すれば面接でも有利になります。
また、適性を理解することで企業とのミスマッチを避けられます。
せっかく転職できた企業をすぐに辞めてしまうような事態にならないよう、自己分析は真剣に取り組みましょう。
企業研究
自己分析の結果を踏まえ、「企業研究」へと入ります。
自分の適性や希望にマッチした企業を探し、実態を詳しく調べていきましょう。
また、企業研究の内容は履歴書や面接でも役立ちます。
採用担当者から「この会社と合っている人材だ」と思われるには、企業研究の成果を反映して志望動機や自己PRを用意することが不可欠です。
採用過程にエントリー
そして、履歴書や職務経歴書を作成し、企業の採用過程にエントリーします。
もしも書類審査に合格すれば日程を調節したうえで面接へと呼ばれます。
エンジニアの面接では、具体的なスキルや経験はもちろん、コミュニケーション能力なども問われる傾向が顕著です。
また、転職者にはやる気や情熱は当然として、実績が求められます。

そして、担当者による選考を経て、採用・不採用が告げられます。
その後は引き継ぎ作業を終え、先方と調整したスケジュールで入社します。
これらの手順を踏まえれば、エンジニアの転職活動における悩みは軽減されるでしょう。