
エンジニアは専門性の高い仕事であり、企業でも重宝される存在といえます。
ただ、何らかの理由で仕事が合わず、「転職したい」と考える人も少なくありません。
エンジニアが転職をしようと考える理由には、どのようなものがあるでしょうか。
ここでは、エンジニアに多い転職理由や、面接で転職理由を上手に伝えるためのポイントについて紹介します。
エンジニアに多い転職理由は?

とある企業が行ったアンケート調査によると、以下のような転職理由がランキングの上位にみられました。
給与や評価
転職理由として多くみられるのは、「給与」や「評価」に関する不満です。
エンジニアは個人の力によって業務をこなすケースが多く、仕事の成果がはっきりとわかりやすい傾向にあります。
そのため、なかには頑張りに対して「正当な評価を受けられない」と悩む人も少なくないのです。
正当な評価を受けられない、また頑張りが給与に反映されないなどの不満を持ち、転職を考える人もいるようです。
業界や会社の未来への不安
エンジニアが活躍する業界は多岐にわたります。
その業界の将来に不安がある場合、転職を検討する人も多いのです。
また、業界自体には問題がなくても、在籍している会社の売上が落ち込んでいたり、仕事が減っていたりすると不安になり転職する人も多くみられます。
エンジニアは専門的な仕事であるため、いかに「長く安定して働ける職場」を探せるかが、キャリアを考えるうえで重要になります。
そのため、業界や会社の将来性・動向に敏感になりやすいのです。
労働環境
快適に仕事を続けるうえで、「休日」や「勤務時間」などの待遇面は、非常に大切なポイントです。
エンジニアは日々変化を続ける環境で、日々の仕事をこなさなければならない、過酷な職種といえます。
また、専門性が高いことから、ほかの人ではできない業務を任されるケースも多いのです。
その場合、ほかの従業員とお互いにフォローできるような環境が整っていないと、何らかのトラブルが起きたときに、自分がすべて対応することになります。
すると、休日出勤や残業が発生することになり、労働環境に不満を持つ人もいるのです。
人間関係
エンジニアは長時間現場にこもって仕事をするケースも多く、閉鎖的な空間に身を置く人も珍しくありません。
そのような環境で毎日顔を合わせる人との相性が悪いと、仕事を続けるのが苦になってしまう原因につながります。
仕事を円滑にこなすには、職場の人間関係が重要です。
職場の人間関係に不満を持った場合は、楽しく仕事をするためにも、転職を考える人も多い傾向にあります。
業務内容
エンジニアといっても、働く環境によって任される業務や役割は大きく異なります。
現場で働く人もいれば、マネジメント業務を任される人もいるでしょう。
そのため、自分が「やりたい仕事」と会社から「指示された仕事」がマッチしない場合は、やりたいことを実現させるために転職する人もいます。
面接で転職理由を伝えるときのポイント

いざ転職活動をするとなったときに、避けて通れないのが「面接」です。
面接では採用担当者に「転職理由」を聞かれるケースが多くみられます。
どのようにして転職理由を伝えれば、好印象を与えられるのでしょうか。
主なポイントは、以下の2つです。
前向きに説明する
転職理由を聞かれた際、「職場になじめなかった」「残業が多かった」など、ネガティブな意見を口にしてしまうのは、避けたほうが無難です。
ネガティブな意見が多いと「やる気がない」とみなされてしまう可能性があります。たとえば、「スキルアップできる環境を求めている」というように、仕事に対する意欲をアピールするのが大切です。
できる限りポジティブな転職理由を心がけることで、好印象を与えやすくなります。
やりたい仕事について語る
やりたい仕事について説明するのも、重要なポイントです。
新たな環境で今までとは違う分野の仕事に挑戦してみたい、とアピールすれば、正当な転職理由になります。
また、その仕事をするためにどのようなスキルを生かせるのか、自分が今後どう活躍していきたいのかを説明するのも大切です。
自分が身に付けたスキルや経験をどう企業に貢献できるのかアピールすることで、仕事に対する向上心を伝えられます。
面接で転職理由を伝えるときの注意点

転職理由は、転職者の印象を左右する重要な質問です。
伝え方によっては、悪い印象を与えてしまうおそれがあるため、気を付ける必要があります。
転職理由を伝える際に、注意すべきポイントには以下の3つが挙げられます。
うそをつかない
1つ目は「うそをつかない」ことです。
なかには、「面接官から良く思われたい」という一心で、うその転職理由を説明してしまう人もいます。
ただ、うそをついてしまうと、入社後に何らかの形でうそがばれてしまう可能性があるため、注意が必要です。
万が一、うそがばれると信用を失ってしまう原因につながります。
転職を希望している以上、面接官も現状の仕事や環境に、何らかの不満を持っていることは十分理解していているはずです。
そのため、無理にうそをつくことはせず、正直な考えを伝えるのが大切です。
どの企業でも起こり得る転職理由は避ける
転職理由は素直に答えたほうが良いとはいえ、すべてのことを面接官に打ち明ける必要はありません。
特に、転職理由は「転職することで解決できる問題」に絞るのが重要といえます。
企業は、面接の際に転職理由を聞いて「長く働いてくれるか」「将来的に会社で活躍してくれそうか」という点を見極めています。
このときに、応募先企業でも想定されるような転職理由を述べてしまうと、警戒されてしまうおそれがあるため要注意です。
具体的には、「人間関係に悩みがあって辞めた」などの転職理由は、避けたほうが良いでしょう。
なぜなら、人間関係のトラブルは、どの企業でも少なからず起こり得るリスクがあるためです。
このような理由を説明してしまうと、「採用しても人間関係が嫌になったら辞めてしまうのか」と思われてしまう可能性があります。

一貫性のあるキャリアプランを提示する
自分の思い描くキャリアプランと、それをかなえるために努力をしていることを説明する必要があります。
自分が「思い描くキャリア」と「転職理由」に整合性を持たせるのが重要です。
このようなキャリアプランがあり、それに向けて努力しており、それをかなえるために「転職する必要がある」という一貫性を持たせることで、面接官を納得させられます。
ただ、そのキャリアプランが「応募先企業で実現できないもの」である場合、転職理由として不適切になるため要注意です。
キャリアプランと応募先企業の志望理由をスムーズにつなげられるよう、内容をよく整理しておきましょう。