
エンジニアが転職時に自分をアピールする方法として、ポートフォリオを作成して提示することが挙げられます。
以前からWebデザイナーの間では一般的でしたが、一般的なプログラマーなどでも作ることが多くなりました。
とはいえ、履歴書と同じような書き方をしてしまい、あまり効果を得られていないケースも見受けられます。
そこで今回は、エンジニアはポートフォリオをどのように作れば良いのか説明します。
エンジニアとしての特徴を伝える自己紹介!

転職で使用するポートフォリオの形式はWebサイトと紙媒体の2種類です。
Webサイトは履歴書にURLを記載すると事前に見てもらえますし、紙媒体には面接の場で見せながらプレゼンを行えるというメリットがあります。
内容は同じでも構わないので、Webサイトを作成してそれを印刷するなど、両方を用意しておくのが理想です。
いずれの形式においても、基本的なフォーマットを押さえたうえで内容を充実させることがポイントになります。
自己紹介をしっかり書いておく
また、ポートフォリオを単なる作品集だと勘違いしているケースが少なくありません。
たしかに作品を掲載しますが、力量や実績を把握してもらうのが本来の目的であるため、導入として自己紹介をしっかり書いておくことが求められます。
自己紹介といっても、履歴書のように経歴だけを記載するのは不適切なので注意しましょう。
どのような特徴や信念を持つエンジニアであるのか伝わる内容にすることが大事です。
まず、自分が経験してきた業務に関する情報を分かりやすく書きます。
採用担当者がイメージしやすいように、できるだけ具体的に記載しなければなりません。
たとえば、ソフト開発に参加したのであれば、設計やコーディングなど、自分が担当した工程を明示しておきます。
チームリーダーのような特別な役割を果たした場合は、その情報を添えておくことも重要です。

スキルや専門知識について書く
次のステップは、エンジニアの生命線といえるスキルや専門知識について書くことです。
こちらに関しても抽象的な表現は避けて、具体性を持たせる必要があります。
プログラマーであれば、扱えるプログラミング言語の種類も明記するといった具合です。
さらに、スキルは名前を書くだけでなく、熟練度が分かるように使用年数なども載せましょう。
専門知識については、技術分野を箇条書きにして、詳しさの度合いを5段階などで自己評価しておくという手もあります。
成果物の説明!採用担当者に良い印象を与えよう

業務の成果物を載せる
自己紹介を書き終わったら、次は作品紹介として業務の成果物を載せていきます。
ポートフォリオのメインコンテンツにあたるため、見やすさを優先して成果物ごとに1ページを使っても構いません。
成果物の画像をキャプチャして貼り付けて、その成果物に対する説明を画像の下側などに記述するのが一般的です。
掲載する画像は、自分が開発したシステムやソフトの画面でも良いですし、担当した部分のプログラムだけでも構いません。
どれを選ぶ場合でも、説明を書く際に参考になりそうな当時の資料も集めておくのが望ましいです。
目的と結果をセットにして書く
ポートフォリオに成果物を載せたら、最初にタイトルとその業務の期間を記述しましょう。
続けて、それを手がけた目的と完成によって得られた成果を詳しく書いておくことが大事です。
たとえば、作業を30%効率化するという目的で支援ソフトを開発した場合、実際に効率化できた割合を成果として記述します。
最初に業務の目的を明確にして、遂行後に達成度を確認するのは、多くの会社で行われている評価の方法です。
そのため、ポートフォリオも目的と結果をセットにして書くことにより、採用担当者に職務の遂行能力を分かりやすく伝えられます。
使用したスキルや役に立った専門知識
次に記述するのは、その成果物を生み出す際に使用したスキルや役に立った専門知識です。
これにより、自己紹介の部分に書いたスキルや専門知識が、具体的にどう活用されていたのかイメージしてもらえます。
また、成果物に対する所感を記述しておくこともポイントです。
課題が残っていれば正直に書いたうえで、原因を分析して解決するための案も挙げておきましょう。
独力で課題に取り組めることは、エンジニアに求められる重要な素養であるため、効果的なアピールにつながります。

ポートフォリオを書くときに意識すべき注意点

ポートフォリオをより良いものにするため、以下の点を意識して書くようにしましょう。
自分の成果を慎重に確認して書く
他の企業から依頼されて作ったシステムやソフトを、自分の成果物であるかのように書いてはいけません。
それらは依頼してきた企業に帰属するため、許可を得ることなく紹介すると、無断転載したということで問題になる場合もあります。
また、自分以外に貢献した人物のいる成果物に関しては、たとえ本人から掲載の許可を得られたとしても、自分だけの手柄のように書かないように注意しましょう。
虚偽のアピールをしたことになり、後でトラブルに発展する可能性があります。
そのようなリスクを避けるため、自分が手がけた範囲を明確にして記述することが大切です。
応募先の事業を考慮して記述する
特定の分野で働き続けているエンジニアもいれば、会社の都合などで多くの分野を経験しているエンジニアもいます。
後者の場合でも、ポートフォリオを用意すれば、自分の経験を採用担当者に漏れなく伝えやすくなるでしょう。
しかし、紹介する分野が多すぎて統一性がないと、エンジニアとしての強みがどこにあるのか把握しにくくなります。
つまり、多くの分野を経験している場合、網羅的に書くのは必ずしも得策とはいえません。
応募先の事業と関連する分野に絞って、スキルや実績を記述したほうが良い場合もあるということです。求人情報に必要なスキルや実績が明記されている場合、明らかに無関係なものはポートフォリオから除外することを検討しましょう。
理解しにくい冗長な表現を使わない
ポートフォリオを採用担当者に見せることは、資料を作成する能力を示すことにもなります。
仕様書や報告書などの資料を業務で頻繁に作成しているエンジニアは少なくありません。
開発の進捗状況を資料にまとめて説明するようなケースも多いです。
つまり、資料を上手に作れることはエンジニアの長所といえます。
そのため、要点が整理された分かりやすいポートフォリオを作成すれば、採用担当者に好印象を与えられる可能性があるのです。
できるだけ冗長な表現をカットして、直感的に理解しやすい書き方を心がけるようにしましょう。