
現在エンジニアとして働いている人の中には、残業時間が多いと不満に感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
残業時間の多さに嫌気がさして職場を変えようと思っている人は、エンジニアの職種ごとの残業時間を知ったうえで勤め先を探すのが良いかもしれません。
そこで、今回は、エンジニアの代表的な職種と各職種の平均残業時間について紹介します。
社内システム開発と受託開発の企業どちらが残業が多い?

転職する企業を決めるときに社内システム開発と受託開発の企業、一体どちらのほうが労働時間が少ないのか気になる人もいるのではないでしょうか。
社内システムの構築や運営を行っている企業の場合は納期が決められているものの、システムを利用するのは自社なので多少融通が利くこともあります。
しかし、一方でクライアントからの要求に従ってシステムを提供する企業の場合は、クライアントの都合次第で納期が変わることも珍しくありません。
なぜ、社内システムを扱うのに比べ、受託開発の仕事のほうが残業は長くなりがちかというと、営業と現場の人間が分かれていることが多いからです。
営業と現場の人間が分かれている場合
クライアントにヒアリングをする営業と、現場の人間が分かれている企業では、現場の人数と能力ではさばききれない案件を持ってくることがあります。
営業に課せられるノルマが厳し過ぎて現場にもしわ寄せがきてしまい、残業時間で補填しなければ仕事が終わらないという悪循環に陥ってしまうケースです。
悪循環に陥ってしまった企業では厳しい環境についていけない人が次々と辞めてしまうので、さらに現場の負担は重くなる一方でしょう。
このような企業では、スケジュール通りに仕事を終わらせても、他の人が終わらなかった案件を次々に回されるので残業時間が一向に減らない可能性があります。
もちろん、受託開発を行う企業全ての残業時間が多いわけではなく、営業と現場の連携が上手くいっている企業では残業が少ないところもあります。
また、自社システムを管理・運営する企業であっても、残業時間が少ないとは限りません。

エンジニアの残業時間は平均どのくらいなの?

続いて、エンジニアの職種として代表的なシステムエンジニアとITコンサルタント、インフラエンジニアの残業時間がどのくらいなのかを紹介します。
また、残業が多くなる背景についても記載しているので、転職する際の一つの目安としてみてください。
システムエンジニアの平均残業時間
システムエンジニアの一カ月の平均残業時間は、30~40時間程度だとされています。
しかし、あくまでも目安時間のため企業によってバラつきがあるようです。
職場での立場が上になればなるほど、納期に間に合わせるために残業時間は増える傾向があります。
システムエンジニアの残業が多くなる原因としては、企業がクライアントに契約を打ち切られることを恐れて、要求を断らないということが挙げられます。
納期の変更やシステムの追加など、クライアントから予定外のことを要求された場合に、追加の要求に応じた期間や費用を請求しない企業があるのです。
クライアントの理不尽な要求に対し、毎回無料で応じていては利益を上げることは難しくなります。

ITコンサルタントの平均残業時間
ITコンサルタントの平均残業時間は30~40時間程度とされています。
ITコンサルタントはクライアントの問題を解決する仕事なので、残業時間はクライアント次第で大きく変わります。
クライアントによっては休日もお構いなしに連絡してくることがあり、休日を返上して仕事をこなさなければいけないこともあるのです。
実際に働いていくうちに大きな実績を残せれば、残業時間が少ない勤務形態になるなど待遇が良くなるケースもあります。
インフラエンジニアの平均残業時間
インフラエンジニアはネットワークやサーバーなどの設計や運用、保守が業務であるため、問題が生じた際に残業時間が長くなる傾向があります。
24時間体制で勤務にあたるので夜勤勤務がある企業もあるでしょう。
いつ残業になるかが不透明なので、プライベートの予定が組みにくいこともあります。
残業が少ない時期もあるので、一概に残業が多いとはいえない職種だといえます。
エンジニアは残業時間が多いが将来性のある仕事

エンジニアとして働いているけれど、残業が多いなど労働条件が厳しいから異業種に転職しようかと悩んでいる人はもう一度よく検討してみてください。
残業が多いといわれるエンジニアですが、実は求人がかなり多い職種で非常に将来性のある仕事です。
異業種へ転職してしまうと積み上げたキャリアや能力を生かすことができず、給与が下がってしまう可能性もあります。
今の職場はやっていけないと思うのであれば、同じIT関連の業種へ転職を目指すという方法もあるのです。
システムエンジニアやITコンサルタントなどIT業界で働いた経験があれば、他のIT関連の仕事に就く際も有利であり、また給与も異業種に就くよりは多くもらえることでしょう。
IT業界全体の残業時間が減りつつある
また、多様な働き方が認められるようになってきている現代では、段々とIT業界全体の残業時間が減りつつあるようです。
エンジニアを辞めようか悩んでいるのであれば、まずは試しに他のIT業界の仕事をしてみるというのも一つの手ではないでしょうか。
他社で働くだけのスキルが身に付いている気がしないという人でも、一度働いた経験があれば応用が利く可能性があります。
IT業界は日々進歩しているので、どれだけ優秀な人材であっても常に勉強が必要な業種です。

残業時間を少なくするには作業の効率化も必要
エンジニアは残業時間が多い職種だとはいわれていますが、同じ職場であっても残業時間の少ない人と多い人に分かれます。
効率的に作業ができるように意識しなければ、ただ時間だけが過ぎていってしまうのです。
転職してから数年は業務に慣れていないため、作業が分からず時間もかかります。
他のIT関連の職種に転職しようとしている人は、効率的に作業ができるように意識するところから始めてみましょう