
エンジニアの仕事に残業はつきものです。
しかし、あまりにもながい時間残業していると、ワークライフバランスに支障をきたします。
心身の健康被害も危ぶまれるため、働き方を変えていく必要があります。
残業時間を短くするためには、原因を調べることが不可欠です。
この記事では、エンジニアの残業がきついときの原因と解決策を紹介します。
企業体質とも関係!エンジニアがきつい残業をする理由とは?

クライアント本位の仕事だから
そもそもエンジニアの残業が多くなるのは、クライアント本位の仕事だからです。
エンジニアはクライアントの注文を受け、Webやシステムの開発を進めていきます。
そのため、クライアントの要望を最優先にして仕事を行わなくてはいけません。
仮に納期が間近に迫っていたとしても、クライアントから変更を求められたら対応するのが一般的です。
また、完成させたシステムについても、クライアントから許可が出ない限りは正式に納品といきません。
先方のチェックを待つだけで残業がながびくことも少なくないのです。
複雑な組織な為
次に、エンジニアは複雑な組織の中で仕事をすることもあります。
その場合、クライアントから要望が出てから現場に伝達されるまでに時間がかかってしまいます。
逆に、エンジニアが作業を終えてもクライアントのチェックが入るまでに、何人もの人間を経由するでしょう。
こうしたワークフローが続くと、ひとつの作業が完了するまでに余計な時間がかかっていきます。
その結果、ながい残業が発生してしまうのです。
企業体質
「企業体質」もきつい残業と関係しています。
普通の仕事であれば、自分のタスクが終わった時点で退社しても問題はありません。
しかし、エンジニアを雇っている企業は「残業をして当然」という価値観が根付いているケースも多いので、早く帰りにくい空気が蔓延している可能性があります。
実際に、残業をしないエンジニアに上司から指導がなされることすらありえます。
そのため、自分の仕事は終わっているのに無理やり残業をするエンジニアはたくさんいるのです。
そのほか、そもそものスケジュールに無理があったりエンジニアの人手が少なすぎたりする、経営側の問題も挙げられるでしょう。
残業が長くなるほど、エンジニアの健康は害され、病気や精神疾患になるリスクは高まっていきます。

エンジニアの残業時間を短くするための心がけを紹介

スケジュールの見直し
もしも残業時間が極端にながい会社に勤めているなら、「スケジュールの見直し」をしましょう。
多忙な中で、スケジュール調整が雑になっている可能性もあります。
リアルタイムで抱えている仕事を重要なものとそうでないものに仕分けたうえで、優先順位をつけていくことが大事です。
そして、優先順位が下の仕事は思いきって翌日以降にまわしてしまいます。
そうすれば、無駄な残業で時間をとられることは少なくなるでしょう。
クライアントと納期の交渉
次に、可能であればクライアントと納期の交渉を行います。
中小企業に顕著な傾向として、「クライアントのいうことを聞かなければ次回以降、受注がなくなってしまう」という恐怖感が挙げられます。
しかし、だからといって最初からクライアントとの納期調節を怠っていれば、先方からの要望がエスカレートしてくるのは当然です。
また、無理な納期を押しつけてくるクライアントであれば、残業代などの経費を考慮して、企業にとってマイナスに働いているともいえます。
少なくとも一度は、納期にゆとりを持てないかと聞いてみるべきでしょう。
社内の価値観を変えていく
社内の価値観を変えていく努力も必要です。
はっきりと残業を強制してくるブラック企業は例外として、多くのエンジニアは「ほかの人も残業しているのだから自分も残業をしなくてはいけない」という思い込みで動いてしまっています。
つまり、勇気を出して過剰な残業を止めてしまっても、特に上からとがめられはしない可能性もあるのです。
仮に上司から叱責されたところで、企業が定めた時間は働いているのであればエンジニアに非はありません。
上司と残業の是非について話し合ってみてもいいでしょう。
そのほか、「先輩の仕事は手伝わなければいけない」などの気遣いが、きつい残業を生み出している職場もあります。

ながい残業を変えられないようなら転職も検討しよう

どうしても現状を変えられず、ながい残業を続けるしか選択肢がなくなってしまったのなら「転職」という解決策があります。
転職は、労働環境を変えるうえでもっともスムーズな手段のひとつです。
価値観も社風もまったく違う職場に移れるため、誰に気兼ねすることもなく無駄な残業を止められるようになります。
ただし、IT業界には残業のきつい会社が少なくないため、転職前に企業研究は怠らないようにしましょう。
会社の業務内容や社則などを把握したうえで志望すれば、入社後に「思っていた会社ではなかった」とショックを受けずに済みます。
面接での態度に注意
きつい残業を改善したくて転職するとき、注意したいのは面接での態度です。
転職活動ではほとんどのケースで採用担当者との面接が行われます。
その機会で、志望動機や自己分析などを質問されるでしょう。
もしも面接で「前の会社は残業がながかったから転職をする」という部分をアピールしてしまうと、採用担当者の心象を悪くする恐れがあります。
なぜなら、単に「残業をしたくない」と誤解されることもあるからです。
エンジニアの仕事では、完全に残業がない職場はまれなので、あくまでも「正当な理由のない残業はしたくない」と伝えることが大切です。
志望動機にも注意
また、残業の短さを志望動機として真っ先に答えるのも控えましょう。
たとえ真実だったとしても、採用担当者は労働条件だけにひかれてやってきた志望者を高く評価しない傾向にあります。
なぜなら、ほかに条件のいい企業が見つかれば、また転職する可能性があると考えるからです。
志望動機としては、業務内容ややりがいについて答えておくのが無難です。
そして、残業時間については条件を交渉する段階になってから、初めて口にするようにしましょう。
あるいは、面接の場以外でリサーチしておくようにします。
転職面接では何よりも、やる気がある優秀な人材だと思われることが肝心です。