外資系企業のITエンジニアはクビになりやすいって本当!?転職のポイントとは
「外資系企業のITエンジニアは解雇されやすい」なんて話を聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか。 もし、クビになりやすいとしても、日本の企業と比べて1.5~2倍程度の給与は当たり前といわれますから、そこに魅力を感じる人もいるかもしれません。 そこで、この記事では外資系企業における解雇の事情を紹介します。 また、外資系企業のITエンジニアに転職する場合のポイントも紹介します。

外資系企業の社員は解雇されやすいのか?

外資系企業の名前を挙げて、「40歳になるとリストラリストに載る」「出社したら椅子がなかった」などの話がまことしやかに流れています。 外資系企業のITエンジニアがクビになりやすいというのは、本当なのでしょうか。

クビになりやすいのは事実

おおまかにいえば、外資系企業の社員がクビになりやすいのは事実です。 急成長している企業であっても、ちょっと業績が悪くなると不採算部門が切り捨てられるのは日常茶飯事といえます。 かつて山一證券がつぶれたときに「社員は悪くありません」といって記者会見で号泣しましたが、欧米のビジネスパーソンは「大の大人がいまさら公共の場で泣くなんて」とドン引きしたといいます。 確かに、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスでは、あっという間に社のエントランスから、ダンボールを抱えた元社員が、くもの子を散らすように去って行きました。 とはいっても、日本にある外資系企業が簡単に社員をクビにできるかというと、そうではありません。 外資系企業といえども日本の労働基準法に従わなければならないからです。

解雇ではなく転職のケースも多い

外資系企業を中途退職する人の割合は、日本の企業より多いのは確かです。 しかし、能力がある人が転職するケースが多いだけで、解雇されている人が極端に多いというわけではない、という事情もあります。 能力主義の外資系企業は途中採用に積極的なので、同業他社の外資系企業への転職を目指す人が多いからです。 転職によって年収や地位などを高めていくのは、ごく一般的な方法となるのです。 流動性の高さから解雇されやすいとされているだけで、実際は「UP(昇進など)のためのOUT(退職)」のケースが、日本の企業に比べると多い傾向もあります。

どんなときに外資系企業はITエンジニアをクビにするのか?

外資系企業が従業員を解雇するケースは、大きく分けると、企業の経営上の問題と従業員の問題に分けられます。

業績不振など

外資系企業は業績不振に陥った不採算のIT事業部門などをすぐに切り捨てます。 それに伴い、大勢の社員が一度に解雇される場合もあります。 ニュースで取り上げられるような大量解雇は、大抵こうした業績不振が理由です。 そのほか、日本での目的を達したなどの理由で、拠点を解散することもあります。 また、短期的なプロジェクトの場合、プロジェクトが完了した時点で解雇となることもあるでしょう。 もっともこの場合は、スキルを持った人を期間雇用の派遣社員として外部から集め、少数の正社員がプロジェクトを管理しているケースも多いといえます。

パフォーマンスが悪い社員がクビになる

従業員の仕事のパフォーマンスが悪かったり、成果が出なかったりするなどでクビになることもあります。 企業によっては、1年に1回程度、パフォーマンスが悪い人をリストに載せ、解雇を検討することも行われています。 もちろん、日本においては労働基準法があるので、会社の意向だけで簡単にクビにはできません。 しかし、部署を移動させたり、いわゆる窓際に追いやったりして、退職を促すケースもあります。 たとえばプログラマーは35歳を過ぎると活躍できなくなるという通説がありますが、能力主義・成果主義の強い外資系企業では特に、クビにつながるケースも多いようです。 パフォーマンス以外の理由としては、人望がなかったり、職場で孤立したりしている人が解雇されやすいといわれています。 というのも、上司や人事担当者は職場の人たちの反感を買いたくないため、同じスキルを持っているなら、人気のない社員を解雇することが多いからです。 場合によっては、能力のある人でも解雇の対象者になってしまうかもしれません。
外資系企業は成果主義だからと決めつけていると、失敗してしまうこともあるでしょう。

上司との折り合いが悪い

日本の企業の場合、人事部が人事権を持っているのが一般的です。 しかし、外資系企業の場合、職場の上司が部下の人事権を持っているのが一般的です。 具体的には事業部長、本部長、部長あたりが、人事権を持っているケースが多いといえます。 このため、上司との関係がうまくいかないと、それが解雇の直接的な原因となってしまうことがあり得るのです。 たまに欧米の映画で「クビにしてやる」と上司が部下に怒るシーンをみますが、これはあながちウソではありません。

外資系企業で解雇されないためにはどうしたらいい?

ここでは、外資系企業で長く働きたいと希望する人に向け、3つのポイントを紹介します。

コミュニケーション

1つ目は、職場の人間や上司と積極的にコミュニケーションを取ることです。 能力さえあれば認められるというイメージのある外資系企業ですが、人間の集まりであることには変わりがないことに注意しましょう。 ITエンジニアの場合、チャットやメールがとにかく多いというのが現状なので、こうしたツールで適確なコミュニケーションができるだけでも信頼されます。 英語はTOEIC で750~800点程度あれば何とかなるといわれています。

スキル

専門的なスキルがあれば解雇されにくくなるのは確かです。 この点では事務職や営業職と比べて専門性を持ちやすいITエンジニアは有利といえます。 また、外資系企業ではポジションごとに職務の定義(Job Description)がはっきりしているので、まずは自分が担当する範囲の仕事をしっかりこなすことが先決です。 マネジメントの職なら他人の仕事を管理しなければなりませんが、役職ではないITエンジニアなどの場合、自分の仕事に集中しましょう。

転職エージェントで外資系企業を選ぶ

自分の能力にあった外資系企業を選んで転職するのは、後々クビになりにくい方法のひとつといえます。 しかし、自分1人で企業をリサーチするのは限界があります。 そこで利用したいのが転職エージェントです。 業績が安定している会社や、上昇気流に乗っている会社をピックアップして紹介してもらえます。 また、転職にあたっては暗黙のルールが存在していることにも注意しましょう。 外資系企業では転職によってキャリアアップをするのが一般的ですが、どのようにポジションを上げていくのかなどに、業界ごとのキャリアアップの流れが存在するのです。 これを知らないと、なかなか転職が決まりません。 その意味でも、業界の事情に通じた転職エージェントを活用するほうが便利なのです。
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