
これからエンジニアを目指す人や他社への転職を考えている人にとって、資格は自分の能力や意欲をアピールするための格好の材料となります。
したがって、ぜひとも取得しておきたいところですが、問題はエンジニア関連の資格が多すぎるという点です。
そこで、数ある資格の中から、エンジニアとしてキャリアアップを目指すために、これは取得しておきたいというものを厳選して紹介していきます。

エンジニアの資格として最もベーシックなものを挙げるとすれば、「ITパスポート」「基本情報技術者」「応用情報技術者」の3つになります。
いずれも国家資格であり、重要度順にランキングをつけるとすれば、そのままトップ3に選ばれるといっても過言ではないほどです。
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基本軸となるIT資格を取得したならば、次に目的に応じた個別の資格取得について検討していきましょう。
たとえば、ITエンジニアのスペシャリストとして働きたいと考えている人にとって特に重要な資格だといえるのが、「情報処理安全確保支援士」「オラクルマスター」「LPIC」「Cisco技術者認定」などです。
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技術者としての経験を経て管理職を目指す際、取得していると有利なのが、「ITサービスマネージャ」「システム監査技術者」「プロジェクトマネージャ」「ITストラテジスト」などです。
いずれも国家資格でマネージメントの仕事を行う際に役立ちます。
最初に押さえておきたい!エンジニアの基本資格4選

ITパスポート
まず、ITパスポートですが、これはすべてのIT資格のファーストステップというべき存在です。 初心者向けなので転職で有利になるということは期待できないものの、ITの基礎学習が積めるので取得しておくことでその後のスキル習得が容易になります。 それに、就職する際にはITに関する最低限の知識が身についていることの証明となるので、早めに取得しておきたいところです。基本情報技術者
次に、基本情報技術者はIT業界で本格的に働きたいという人がその足掛かりとして取得するべき資格だといえます。 この資格を取得すれば、プログラム設計書の作成・プログラム開発・単体テストといった実践的な工程の基本スキルが一通り身についている証となります。 同時に、マネージメントに関する初級問題も出題されるので、管理職に挑戦する際の基礎固めにも最適です。 合格率は25%程度であり、50%程度のITパスポートと比較すると難易度はやや高めとなります。 しかし、IT業界でのニーズは極めて高いので取得しておいたほうがいろいろと有利です。 なお、試験勉強を始めてから取得までの期間は半年程度が目安となります。応用情報技術者試験
続いては、応用情報技術者試験ですが、これはIT化による効率化を実現できる、いわゆる高度IT人材としての条件を満たしていることを証明するための資格です。 したがって、エンジニアとしてさらなるスキルアップを目指したいという場合に、チャレンジするべき資格だといえます。 また、IT業界においても基本情報技術者を取得している人は多いですが、応用情報技術者の試験をクリアしている人は少数派なので給与アップを目指す際にも有利に作用するはずです。 ちなみに、試験内容の傾向は基本情報技術者と同じですが、より高いレベルを求められることになります。マイクロソフトオフィススペシャリストマスター
そして、以上の3つ以外でも初心者に取得を検討してほしいのが「マイクロソフトオフィススペシャリストマスター」です。 国家資格ではなく、Microsoft 社が提供している民間資格で、WordやExcelなどのOffice製品を使えることを証明するためのものです。 必ずしもエンジニアに特化した資格ではありませんが、幅広い職種で重宝されるため、とって損をするということはないでしょう。 難易度に関してはITパスポートと同等か、やや易しいといったところです。目的に応じて取得を考えたい!スペシャリストとして活躍したい人のための資格4選

情報処理安全確保支援士
まず、国家資格である情報処理安全確保支援士は情報セキュリティに関するスキルが身につくので、セキュリティ分野での活躍を希望している人に最適です。 それに、情報セキュリティの安全性に関しては、多くの企業が関心を持っているため、思わぬ会社から高待遇で迎え入れられる可能性もあります。 なお、合格率は約50%と難易度は比較的低めです。オラクルマスター
次のオラクルマスターは民間資格で、オラクル製品におけるデータ管理システムやデータベースのための言語を扱えることを証明するためのものです。 特定の製品限定なので使い勝手が悪いように思うかもしれませんが、国内における約半数のデータベースには日本オラクル社のソフトウェアが用いられています。 そのうえ、オラクル製品かどうかに関わらず、基本的なデータベース設計や運用のスキルの証明としても使用が可能です。 この資格は「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」という4つのランクにわかれており、上のランクを受験するには先に下のランクを取得しておく必要があります。LPIC
続くLPICは「Linux Professional Institute Certification」の略で、Linuxを用いたサーバーの技術者としてのスキルを証明する国際資格です。 ちなみに、LinuxとはオープンソースのOSで、サーバーを自由に建てられるうえに速度やセキュリティに優れているという特徴があります。 そして、いまやインターネットサーバーにおけるOSのシェアはその大半がLinuxで占められているといわれるほどです。 したがって、サーバーサイドのエンジニアを目指している人にとっては極めて必要性の高い資格だといえます。 この資格はレベル1~レベル3にわかれており、レベル1は未経験者でも十分に取得可能ですが、レベル3は高度なスキルを有するエンジニア向けなので独学での取得は困難です。 自信のない場合はLPIC公式の自習会や各認定校の利用を検討してみるのがよいでしょう。Cisco技術者認定
最後のCisco技術者認定は世界最大手のネットワーク会社であるシスコ社が実施しており、CCNA・CCNP・CCIEの3つのランクにわかれています。 その中でもCCIEは難易度が高く、ネットワークエンジニア資格の最高峰といわれているほどです。 逆に、CCNAはネットワークエンジニアの基礎知識から着実に学んでいけるため、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアを目指している人は順番に取得を目指していきたいところです。 それから、CCNPやCCIEを取得するには複数の科目に合格する必要があり、前者は3年間、後者は2年間の有効期限が設けられています。さらなるキャリアアップを目指して!マネージメント職に有利な資格4選

ITサービスマネージャ
たとえば、ITサービスマネージャは文字通り、ITサービスをマネージメントできる技能を有していることを証明する資格です。 ちなみに、ITサービスというとなんらかのサービスを提供して終わりというイメージがありますが、実際はそうではありません。 ITの場合、なにかのサービスを行うというのは、提供したあとのメンテナンスサービスも含まれていることを意味します。 つまり、この資格を取得すれば、サービス提供とメンテナンスサービスの両者を含む、総合的なマネージメントスキルが備わっていることの証となるわけです。システム監査技術者
また、システム監査技術者とはシステム監査の立案・実施・報告を行う技能を有していることを証明する資格です。 この資格を取得すると、IT企業だけではなく、システムのメーカーやIT機器のコンサルティング会社といった分野への転職も有利になります。プロジェクトマネージャ
さらに、プロジェクトマネージャの資格は、システム開発の現場における最高責任者としてプロジェクトの計画・人員や予算の管理及び運用などを行えるだけのスキルが備わっていることの証となるものです。 要するに、現場クラスにおけるトップを目指すための資格だといえます。ITストラテジスト
最後のITストラテジストはIT技術を用いた企業の経営戦略を提案・経営・実行できることを証明するための資格です。 この資格をうまく生かせば、会社をよりよくするためにアドバイスをする立場になれるので、やりがいはかなりあります。 ちなみに、これら4つの資格の合格率はいずれも15%前後です。 以上、エンジニアに関する主な資格を紹介してきましたが、その他にも資格はまだまだ存在します。
この記事などを参考にし、また、気になる資格を一覧にするなどして、自分にとって本当に必要な資格を見つけていきましょう。