
「物を仕入れて、それを売り、利益を得ること」は、商売におけるもっとも基本的なやり方のうちの一つです。
販売形態が多様化した令和の世においても、それは変わりません。
そしてこの方法に深く関わる仕事として、「購買・MD・バイヤー」が挙げられます。

購買・MD・バイヤーは、ごく簡単に言うのであれば、「商品の買い付けを行う仕事あるいはそれに従事する人」を指す言葉です。
物を仕入れてきてお客様にそれをアピールし、購入していただくことで自社の利益を出すわけです。
ちなみに「MD」は「マーチャンダイザー」の略称です。
これは、アパレル業界においてのみ使われる言葉です。
「バイヤー」と似た意味を持ちますが、バイヤーの方は「商品の仕入れ及びそれを販売するための戦略を練ること」を基本業務とします。
対してマーチャンダイザーの方は。自社の商品を開発するところから関わることもあります。
もっともこれらの言葉の使い分けの基準は、それほど厳密なものではありません。
混同されて語られることも多いので、ここでは「購買・MD・バイヤー」と並列で表記して語っていきます。
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購買・MD・バイヤーの仕事を務める人に何よりも求められるのは、「トレンドをキャッチする能力と、自分自身のセンス」です。
特にアパレル業界においてはこれが強く求められます。
自分がいくら「良い!」と思ったものでも、それがトレンドから外れていては購入する人はほとんどいないでしょう。
また、直感的なセンスだけに頼っていてはほかの人を説得することはできません。
そのため自分が買い付けたい品物の魅力をプレゼンする能力も求められます。
商品の買い付けの選定を行うための目利きが必要になるため、該当分野の専門的知識を有している人が望ましいといえるでしょう。
トレンドは日々移り変わるものですから、勉強会などに積極的に出る向上心を持っている人も向いています。
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購買・MD・バイヤーは、無資格であっても務めることができます。
ただし、トレンドを分析したり、「値段」を元に交渉したりする必要があるため、パソコンスキルなどは求められると考えてよいでしょう。
また海外との取引が多い企業の場合は、ある程度の英語能力が必要になることもあります。
「英語が母国語ではない国と取引をする」という場合は、該当国の公用語を使えると心強いでしょう。
トレンドをキャッチする能力やセンスが重要視される仕事であるため、「資格の有無」はそれほど問われません。
ただ、「販売士」の資格を持っていると有利になるかもしれません。
これは要綱会議所が実践している検定試験であり、マーケティングの知識を問う試験です。
なおこの資格は、1級~3級の3段階に分かれています。
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華やかなイメージがある購買・MD・バイヤーの仕事ですが、年収はそれほど高くはありません。
全体の平均年収は480万円程度であり、20代のころは400万円に届かないこともあります。
統計結果によってはさらに厳しい数字が出されていて、「平均で400万円」としているものもあります。
なかには年収が150万円程度しかない……というケースもあります。
ただし企業によっては「完全実力主義であり、成果を挙げればその分給料に反映する」としているところもあります。
この場合は、年収が1500万円を超えることもあります。
自分の実力に自信がある人ならば、やりがいと高収入を両立させられる仕事だといえるでしょう。
出典:
転職会議「マーチャンダイザー・バイヤーの年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)」
https://jobtalk.jp/salary_matome/jobs/55?sort=salary-desc#answers
求人ボックス「バイヤーの仕事の年収・時給・給料」
https://求人ボックス.com/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%83%BB%E6%99%82%E7%B5%A6
【参考】
https://mynavi-agent.jp/fashion/knowhow/merchandiser/
https://mynavi-agent.jp/fashion/knowhow/buyer/
https://careergarden.jp/buyer/qualification/
購買・MD・バイヤーの仕事内容とはどんなもの?

購買・MD・バイヤーに向いている人の特徴

購買・MD・バイヤーの仕事をやりやすくするスキルや資格、特性とは

購買・MD・バイヤー別の平均年収
