
こんにちは、noranekoです!
前章では、就活で証券会社への夢に破れ、居酒屋に就職したというストーリーをお伝えしました。
一言でいうと「挫折」を味わいましたが、今思うとあの時に挫折しておいてよかったです。
本章では、就職した居酒屋での研修で公園で大声で歌ったり、居酒屋のキッチンでは「これ無理じゃない?」というオーダーに対して板長に「なんとかしろ」と言われたり、、
目の前の壁に対してどう工夫するか?そんな仕事のこなし方について少しでも参考になったら参考です。
(新宿の戸山公園)
「朝とパン」と呼ばれる標文を暗記し、つまらずに大声で言ったり、、。
各項目には試験があって、合格・不合格があるので必死でした。
よく分からないけど「不合格」と言われ、「何がだよ!」と何回思ったことか分かりません(笑)
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正直、大学卒業したのにやる研修かこれ?何のための研修???
と、研修中に何度思ったことか分かりません。
あまりにも意味が解らず、無駄にキツい精神論的研修でした。
ただ、新入社員20人にチームワークも芽生えたので、それはそれで楽しかったです。
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から揚げを作る時ってどうされてますか?
普通はタイマーで5分等に設定して、時間になったら引き上げますよね??
ところがどっこい板長は、
板長「音で聞き分けろ」
とか言うわけですよ。
マジかよ。と。
やったことないよ!となるわけです。
なので、試しにやってみるわけです。
noraneko「こんな感じかな?」
とフライヤーからから揚げをあげると、、
板長「まだはぇえよ」
noraneko「……!」
とはいえ、人間なぜか追い詰められると急成長するわけです。
なんと、しばらくすると、から揚げの出来具合が音で分かるようになってきました!
やっとコツを掴んだ〜!と思っていたんです。
でも実際に注文が入っている時って、フライヤーに入っているのはから揚げだけじゃないんですよね。
から揚げだけじゃなく、ささみチーズフライ、ポテトフライとか、色んな揚げ物がフライヤー内を泳ぐわけです。
すると、、
noraneko「から揚げの音が分からん…。」となるわけです。
なので音での判断は諦め、から揚げの泡の大きさで判断してみることに。
ただ、ささみチーズフライなど他の料理と混ざると泡の大きさが分からないので、網でから揚げだけをすくって様子を見ることが多くなりました。
すると、、
板長「あんま触んな」
noranekoの心の声(どうすりゃいいんだ……)
と、居酒屋で4年バイトしていて調理師免許を持っていたにも関わらず、この板長の求めるレベルが異常に高く、本当に毎日必死でキッチンに立っていました。

ちなみに今は戦略 / ITコンサルをやっています。
そのギャップも楽しんで貰えたら嬉しいです(笑)
割とハードだったんですが、でも楽しく過ごした社会人1年目でしたね〜!
居酒屋なのに本社研修???
私の社会人のキャリアは当時流行っていた白木屋や和民を真似した居酒屋のキッチンから始まりました! さぁ!働くぞ!と思っていたのですが、その会社は居酒屋にも関わらず、なぜか1ヶ月の本社研修から始まったんです。 しかし、、、その研修の内容は少し特殊でした。 新入社員20人が集められた本社研修。 その一部を紹介しますと、、、、 1 . まず社歌を覚えます。 2. 新宿の戸山公園で大声で歌います。 3. それを人事係長がOKを出すまで続けます。
笑顔の研修では、、
中でも理不尽だな〜、と思ったのは「笑顔」の研修でした。 自分で思う精一杯の笑顔をやってみても、 担当者「不合格!」 noranekoの心の声(何でだよ…!) 担当者「普通に笑えばいいんじゃない!お客様に笑顔に見えるように笑え!」 noranekoの心の声(そうか…!ならこれが渾身の笑顔だ!どうだ!) 担当者「不合格!」 noranekoの心の声(ちくしょー!!!)

社会に出たら辛いことっていっぱいあります。
それに耐えるための研修だったんだな、と今だからこそ思いますが、、、。
今やれと言われたら絶対嫌ですね笑
プロの仕事を求められる
研修後は、川崎のお店でキッチンに配属されました。 ここの板長(いたちょう:調理場の責任者)が、割とクセの強い人だったのですが、 この人のおかげで自分の殻を破るきっかけになったのですごく感謝しています。 さて、配属後最初の仕事は揚げ物(ささみチーズフライ)の仕込みでした。 ささみチーズも今は冷凍で美味しいものがいっぱいあります。 ただ当時は冷凍品があまりなかったので、生のささみから作る必要がありました。 実際の工程としては、 1. 2キロの冷凍のささみを解凍する(40 〜 50本入ってる) 2. ささみを開いてスジを取り 3. 包丁で開き 4. 大葉とチーズを挟み 5. 衣をつけ 6. 冷凍します。 初めてこれをやった時は、2時間かかりました。 noraneko 「できました!」 板長「まぁまぁの出来だな、けどおせぇな。」 noranekoの心の声(マジか…!これどのくらいの頻度でやるんだろう?どうしたら早くなるの??) と、不安しかありませんでした。 このささみチーズの工程は週に一度だけだったのですが、仕事の厳しさを実感した仕事でした。品質を下げてみると
前回ささみを開くときには「均一の厚さ」にしようとしていましたが、不均一でもいいから素早くやってみました。 noraneko「できました!」 板長「きたねぇな。」 noranekoの心の声(……!) 精度とスピードの両方を求められるのか!これが仕事なのか、と改めてそう思いました。から揚げの音を聞き分けろ


ちなみにその後なぜか、から揚げができているかどうかを音と泡の大きさで判断できるようになりました。
「できない子」とは思われなくなかった
実は私は、 高校を途中で辞めてしまっているんです。 理由はまぁ、やんちゃ盛りだったからですかね。 そのため、自分は一度「できない子になってしまった」というコンプレックスがあり、 絶対に「できない子」と思われたくない!と思っていました。 また、就職活動では「高校中退」ってレッテルがいつまでも付いてまわり、「なんで高校辞めたの?」っていつも聞かれていました。 だから、「できない子」と思われるとチャンスを回してもらえない。 そうも思っており、絶対に板長に「できない子」だと思われたくなかったんです。 だから文字通り「必死に」板長から学びました。できねぇんじゃねぇ、やるんだよ
できない子になりたくない! だからこそ徹底的に板長から学んでいたのですが、金曜日だけは本当に大変でした。 当時勤めていた川崎店は180席あり、金曜日はいつも満席で、平均すると120万円は売っていました。 料理の数に換算すると、一晩に1,000点近い料理を作る必要がありました。 (キッチンは5人で、そのうち3人はバイトの子達です。) そして注文から10分以内に料理を提供しないといけないというルールがありました。 板長に対して「これの注文量は無理ですよ!」と愚痴ったところ、 板長「できねぇんじゃねぇ!やるんだよ!」と一蹴され、 「あ、そっか、やるしかないのか。」と妙に納得してしまいました。 そこから、金曜日の「壁」を乗り越えるためには「どうしたらいいんだろう??」とそればかりを考えるようになりました。 ただ、どんな時間帯にどんな料理が出るのか?を把握できたり、金曜日のための仕込みを水曜日からやったりすることで、2ヶ月目にはクレーム(10分をすぎること)はなくなりました。 めちゃくちゃ大変だったんですけど、「越えられない壁」でも、小さな工夫の積み重ねでなんとかなるかも…?と思った瞬間です。
ちなみに仕込みだけでもこんだけやっていました。
・ささみチーズ
・唐揚げ「8キロ」
・キャベツ- 6玉千切り(包丁で千切り、1時間ぐらい)
・オニオンスライス - 10玉
・キャベツ炒め用 -2たま
・ピーマン・にんじん
・マグロのブロックをさくに - 2ブロック
・角煮
・もつ煮
・ブロック牛肉からサイコロステーキへカット
・揚げ物に添えるバターやレモンのカット
・刺身のつま(つまマシンはあったが壊れて上手くできない。でもかつらむきにはなるので)→ それを千切りに。
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板長には「このつま使いやすい」と褒めてもらいました。ただ、その後で「作りすぎ」と小言もいただきましたが。
あ、ちなみに今は戦略と IT コンサルやってますよ!
板長が土曜日に休むように
その後は板長に、刺身を上手く盛りつけるために華道を学べと言われ、私が作った刺身をチェックしてもらうたびに、 板長「……。」 (無言で盛り付けを直す。) ということが繰り返されましたが、 2か月ぐらいで刺身も「美しく」盛り付けられるようになりました。 すると、その頃から板長が土曜日に休むようになったんです。 土曜日は金曜日と比べればまだマシですが、かなりの忙しさです。800品ぐらいを作る必要があります。 今思うと、板長からは何も言われていませんが「認められた」んだと思います。
ただ当時は、「マジかよ…!」と、板長が休むことに本当にイライラしました。