noraneko奮闘記4話 〜居酒屋店長編:売上倍増計画始動〜
こんにちは、noranekoです!  

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第三章では居酒屋に就職後、「これ無理でしょ💦」と思っていた仕事をこなし、なぜか就職2年目にして店長に就任したというストーリーをお話ししました。 ただ、本社から「店長としてよろしくね!」と同時に「立て直しだよ!」と言われたことがかなり気がかりでした。 実は本章では、この立て直しに大成功します! そして具体的にこんな施策をやったよ!という事も細かく解説します (これを見ただけでお仕事のヒントになる方もいらっしゃると思います。) ただこの後、体調を崩してしまうんです。 どうやって立て直したのか。そして、なぜ体調を崩してしまったのか? 第四章もお楽しみに〜!

立て直しだよ…!

本社から言われた言葉「立て直しだよ…!」の意味を探るべく実際に五反田にあったそのお店を訪問しました。 前章の川崎店の売上は2,700万円/月だったのに対し、同規模のお店だった五反田の売上は900万円しかありませんでした。 そして、実際にお店を訪問してみて感じたのは「こりゃ売れないな…」ということでした。 照明が暗く、床もくすんでいて、細かいところの掃除も足りてないなぁ、と感じたんです。 ですので、店長に就任して最初の一週間に徹底してやったことは「お店の掃除」です。 照明を変えたり、床のワックスをかけ直したり、換気扇を綺麗にしたり、「見えるところ」や「手の届くところ」は全てピカピカにしました! 地下のお店だったのですが、地下への階段も綺麗にしました。
これだけでも、すっごくスッキリしました! 次はお料理を見直します。 まだまだお客さんは増えません。

まだまだ改善は続く

次に改善を行ったのは料理です。 私がラッキーだったのは、第三章で話した板長は元寿司職人で、15歳から寿司の道へ入ったため、料理の腕も本物でした。味自体もすごく美味しかったですし、盛り付けの見た目もすごくよかったんです。 一方こちらのお店は、新卒社員が店内叩き上げで育った料理長だったのですが、どうしても川崎店の板長レベルではありませんでした。 そこでレシピを見直したり、刺身の盛り付け方を変えました 例えばそのお店の豚の角煮は、揚げてから煮込むという手法をとっていましたが、これだと油っこい味になるので、1個ずつ表面を焼いてから煮込むように変更しました。 (手間はかかるんですけどね。) さらに、叩き上げ料理長には内緒でnoraneko独自メニューの開発も行いました。 豚のロースを使ったサムギョプサルや、山海盛(山芋、オクラ、マグロ、いか、明太子+全卵)など、18年前としては珍しいメニューもいくつか作ってみました。
川崎店の料理長はクセの強い人でしたが、、本当にあの人の下で「仕事(修行?)」ができて良かったです。

お客さんを集めるためにやったこと

お店は綺麗になりましたし、料理も徐々に改善されてきました。 店長になって1週間、お客さんを出迎える準備が少しずつ出来てきたので、次はじゃあ実際にお客さんに来てもらわないといけません。 そこで私は、近くにあった大きな病院に行き、病棟を上からすべて周り、ナースステーションにビール無料券とメニューを配りました。
ノラネコは「ビール一杯無料券」と「メニュー」を装備した!
するとそのすぐ夜、お店にはチラホラと看護師さんがいらっしゃったんですね。 「あ!これは…!」と、その施策に手応えを感じました。 「やればできるじゃん!」とすごく面白かったです。 そして、お店のあった五反田はビジネス街。 駅前には大量のビルが立ち並びます。 そこで私は、ビルの片っ端から会社を訪問して、このビール無料券とメニューを配り歩きました。毎日15時に出社後、18時まで配り歩いたんです すると、徐々にお店にお客さんが入ってくるようになりました。 正直、この施策をする前は、ちょっと恐れもありました。 チラシを配り歩いたことなんてなかったですし、居酒屋が営業?って思っていました。 でも、恐れていて何もやらないのではなく、とりあえずやってみたらすごく上手くいったんです。これは本当に嬉しかったです。

どうやったらリピーターになってもらえる?

集客に成功したのですが、次の課題がありました。 それはリピーターになってもらうことです。 一回来てもらうだけではなく、お客さんがリピーターになるには、どうしたらいいんだろう??を真剣に考えました。 そして私には持論がありました。 お客さんのリピートに大切なのは、料理よりも接客だ!」ということです。 そこでお客さんが帰るときに「ありがとう!」って言ってもらうにはどうしたらいいか?をバイトのスタッフと一緒になって考え、実践しました。

施策1. グラスの残量を把握

お客さんのグラスの残量を把握しておいて、「お代わり!」って言われる直前に「何にします??」と声をかけていました。

施策2. スタッフとお客さんとの関係性

スタッフにはお客様の顔を覚え、コミュニケーションを取るように意識してもらい。お客様から従業員ではなく、「個人」として覚えてもらえるよう意識してもらいました。

施策3. 接客の品質をあげる

その上で、会話の内容や料理の提供の仕方、そして接客のタイミングなどにもこだわってもらいました。 その結果、就任前に一ヶ月900万円だった売上が、一ヶ月後には1,400万円。その翌月は1,900万円になりました。 上司は「立て直しできたな!」と喜びつつも、「でも、まだできる!」とプレッシャーをかけてきました。

やる施策がドンドン当たる / 売上もドンドン上がる

この頃は、やる施策がドンドン当たりました。 18 〜 23時の時間は割と席が埋まっていたのですが、深夜帯(24時以降)にはまだ余裕があ理ました。 そこで少し離れたホテルに営業に行き、そのホテルの特別宴会メニューを作ったところ、毎月宴会をやってくれるようになったり、 近くに大学があったので、学園祭後の打ち上げ会場に使ってもらいたく、ビール一杯無料券とメニューを持ちサークルの部室に行って営業しまくったら、学園祭の日は学生だけで予約がパンパンになったり。 しかも、それを機にお店を知ってくれる子が増え、リピーターになったり。
やったことがハマる感覚がめちゃくちゃ楽しかったんです。 若かったこともあり、この頃は毎日14時間働いてました。昼の15時から翌朝の5時までですね。
しかも休みは月に一度しかとっていませんでした(笑) 労働時間は月に400 〜 500時間でした。(ちなみに法定労働時間は160 〜 180時間です。良い子は絶対に真似しないでください。) 「え?そんなに働いて大丈夫なの????」 そう思われた方も多いですよね。 はい、大丈夫じゃなかったんです。 いかに仕事が楽しくても。

アナフィラクトイド紫斑病(IgA血管炎)

店長就任6ヶ月目、足に斑点が出ていたので「なんだこれ?」と思っていました。 でも忙しいのでもちろん放置します(笑) でもしばらくするとその斑点が、痺れるような痛みを伴うようになりました。 「うーん、弱った」と思い、自宅近くの市民病院に行ったところ、 医者「これは、アナフィラクトイド紫斑病かもしれません。すぐに入院してください。 noraneko「え、入院?、でも仕事が。」 医者「絶対安静です。死にますよ? noraneko「え、、!そんな、、え??」 すぐに上司に連絡した上で、緊急入院となりました。 病院のベットの上でぼーっとして点滴されるだけの毎日です。 「大げさな、すぐに退院できるだろう」と思っていましたが、結局退院できたのは2週間後でした。

退院後本社へ

本社で言われたこと、 「現場の仕事なら戻れるけど、どうする?店長の仕事続ける?」 noraneko「ちょっと考えさせてください。」 入院中にずっと「戻れるかな?」と考えていました。 というのも、仕事自体はすごく楽しかったですが、やっぱり体力的にはしんどいです。 そのため、一回休憩を入れてしまうと「戻れるのかな?」と不安に思ってしまったんです。 また、いつ再発するか分からないと言われており、店長として働いたら今回のように2週間の入院で済まなくなるんじゃないかな、と思ったんです。 意識ははっきりしているけど慌てふためく親を見たり、医者に「今のままの働き方は辞めた方がいい。死ぬよ。」と言われたり、体にも常に倦怠感が残っていたんです。 癌だったら会社の理解も得られたと思うんですが、謎の病気すぎて会社もどうしていいか分からずだったんですね。 私は死への恐怖から、退社することを選びます。 全力を尽くした仕事から離れることに喪失感はありましたが、それよりも死への恐怖が強かったです。とにかく怖かった。
これまでの約20年間、再発はしていないから、単純に働きすぎだと思いますけどね(笑)

失敗と環境

ここまでの話を聞くと、私が何でもできる人と思えるかもしれません。 確かに今回の居酒屋の立て直しはすごく上手くできました。しかもすごく面白かったです。 ただ、全ての施策がうまくいったかと言うと、実はそうでもありません。 数多くの施策を行った上で、上手くいった一部を書いている、という方が正しいです。 ただ、居酒屋って結果が出るのが早かったので、上手くいかなかったら止めて、改善したり違うことやれば良かったんです。 失敗は失敗として受け止めることは大事なのですが、失敗を恐れて何もしないことが一番の失敗になると思って行動していました。 また、環境も合っていたんだと思います。 この後、私は違う業界に転職するのですが、あまり上手くいきませんでした。 だからこそ私は、「自分に合った環境」ってあるよね。そして、その環境があるからこそ自分が磨かれるし輝けるんじゃないか?と思っています。 もし今あなたが、今の環境で輝けていない場合、一度環境のせいにしてみて欲しいんです。 そうすると、見える世界も少し変わります。 次章では初めて、「未経験職種への転職」を行います。 「やったことない業種への転職とその難しさ」を体感せざるをえませんでした。 さらに転職後も、 「やったことないこと」をやったため、その難しさにも直面します。 お楽しみに〜!!
未経験職種への転職は本当に大変ですが、今思うとステップアップするいい機会でした。 あ、あと、Twitterで感想とかコメントをもらえると超嬉しいです! 毎週金曜日の更新を目指しています。 次章もお楽しみに〜!
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