システムエンジニア(SE)は幅広い業界で転職可能?

システムエンジニア(SE)は、その名の通りコンピューターシステムを設計および構築、運用することが主な仕事内容です。

しかし昨今ではコンピューターシステムなしには成り立たない業界が多く存在します。

SEが転職を考えたとき、転職先はそれまでのスキルを活かすためにIT業界が主になりますが、SEを求める業界は幅広く存在しています。詳しく解説していきましょう。

システムエンジニア(SE)の転職市場

システムエンジニアを含めたITエンジニアの転職市場は、業界に関わらず人材不足と言われています。

この理由は、IoTなどの推進による人材の不足やIT業界の管理者層高齢化、IT業界に対するネガティブなイメージなど様々なものが考えられます。

これはつまり、いずれの業界でもコンピューターシステムを導入しており、そのシステムを運用、保守していく人間すら不足していると言えます。


時代の流れに連れて、システムの新規開拓は頭打ちの様相が強く、既存システムの更新や運用保守に重点が置かれている傾向があります。

社内のコンピューターシステムをメインに更新や運用保守を行う社内SEがまさにそれです。

転職先の職種でも、ITコンサルタントに続いて社内SE、ビジネスコンサルタントが人気 で、転職先として決定した職種も社内SE、ITコンサルタントの2職種で5割から6割を占めているという結果も出ています。

もちろん今でも業務アプリケーションに関するエンジニアやプログラマの募集は多く出ていますが、それ以外でも多くの選択肢がある時代になったということです。

例えばハローワークの求人検索で「仕事の内容」を「情報処理・通信技術者」で探してみると、情報通信業だけでなく不動産業、製造業、医療、教育など様々な産業から求人が出ています。

当然ながらこの中にはシステムエンジニアだけではない職種の募集も含まれていますが、コンピューターシステムに関する求人はそれだけ売り手市場なのです。

スキルの幅を広げたほうがいい?

転職先として人気の高いITコンサルタントは、依頼企業の経営方針に応じたシステム開発の提案から最適化、改善を図るなど、多くの知識が要求される業種です。

様々な分野に関する知識や論理的思考、問題解決に向けた行動力や協調性などのコミュニケーション能力が必要となってきます。

ITコンサルタントになるためのスキル幅を広げると言うよりも、続けていくためには常にスキル幅を広げ続けなければならないのです。

すでに現場でマネジメントを行っており、さらにその能力を広げたい、活かしたいと考える方であれば、転職先の候補に上がってくるでしょう。

異業種先への転職を考える場合は必要

そこまでポジティブでなく労働環境や給与面などの改善を図りたいと考え、それまで培ってきた技術や経験のみを活かして同じソフトウェア業への転職先を考えるのであれば、それほど大きくスキル幅を広げる必要はないかもしれません。

しかし、今までとは全く違った異業種先への転職を考える場合は、多少のスキル肉付けがあった方が無難でしょう。

例えば病院内の院内SEを転職先の第1候補として考えた場合などは、病院内で使用している電子カルテや医事システムに関する知識はもちろんのこと、医療に関する用語やワークフローなどに関する知識の幅を広げた方が転職しても仕事を進めやすいでしょう。

資格や検定を転職の武器にしよう

視覚的にスキル幅の広さを確認できるものが資格、検定です。

エンジニアとして異業種の知識を持ち合わせていることを証明する資格や検定も多く存在しています。

ソフトウェア業では国家資格として基本情報技術者や応用情報技術者が著名な資格ですが、応募先へのアピールとなる全く別の資格を所持していることは1つの武器になります。

具体的には先の病院など医療機関では公的資格として医療情報技師があり、応募条件として明記しているところもあります。

まずは具体的に転職先として考えている業界をリストアップし、その業界に応じたスキルについて調べることから始めた方がよいでしょう。

SEでも活躍の機会は豊富

先述したITコンサルタントに関しては、活躍の機会はさらに増えることになるでしょう。

顧客との折衝やそれに応じたシステム提案など、システムエンジニアの究極と呼んでも良いかもしれません。

システムエンジニアとして更なる高みを望む方には転職先として理想的ですが、覚悟も必要です。

社内SEに求められるものは?

社内SEに関しても、ITコンサルタントとまではいかないまでも、社内でのシステム改善要望や運用保守への対応など、業務の幅は大いに広がるでしょう。

システム構成の把握のみならず、ネットワークや各部署に配置されているパソコンや周辺機器など全体に関する管理が要求されます。

特にシステム更新時や導入時はITコンサルタントや導入先企業との折衝が必要になってくるため、それなりの知識と能力は欠かせないものです。

また、社内のシステム全体を管理するための部署として位置付けられることが多いため、システム以外でも各部署で使用しているパソコンはもとより、プリンターなどの周辺機器についても問い合わせや対応依頼があると考えておくべきです。

もちろん上記以外にもシステムエンジニアの活躍機会は豊富にありますが、システムエンジニアとしてのとらえ方は会社や法人によって様々です。

時には社内アプリケーションのプログラミングを行ったり、データ集計などの事務的業務にも従事しなけらばならないこともあります。

言い換えればそれが活躍の機会であり、今までとはまた違った経験や知識を得られることにつながるのです。

上流工程でのみ仕事を続けてきたSEは注意!

気を付けなければならないのは、上流工程でのみ仕事を続けてきたシステムエンジニアです。

一般的にシステムエンジニアはコンピューター全般で仕事をしてきた人間と思われがちです。

転職先によっては、それに関する全般の問い合わせや要望が寄せられることもありますが、上流工程はあまりコンピューターの知識がなくとも仕事ができてしまいます。

知らなくても仕事を遂行できるとは言え、エンジニアたるものハードやネットワークまわりにも詳しくなっておくことが賢明です。

様々な転職先で活躍できるシステムエンジニア

システムエンジニアの豊富な転職先について具体的に解説しました。

ただし、転職先は豊富と言えど、自らに自信が持てる知識と経験を踏まえた上での転職活動が肝要です。

その知識と経験をバックボーンとして転職先へ大いにアピールし、システムエンジニアとしてまた新しい知識と経験を求められるような明るい転職を目指しましょう。

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