立つ鳥跡を濁さず!エンジニアが退職するときの準備はどうする?

エンジニアにとって退職時の引き継ぎや後処理は非常に重要なことです。

次の転職先が決まるとそちらの方ばかりに頭が行ってしまい、引き継ぎもおろそかになりがちになってしまいます。

最悪、転職先でヘルプの電話がかかってくることも。

そんな事態を避けるためにも、退職準備にはしっかりと時間をかけた方がよさそうです。

その具体的な方法について、詳しく見ていきましょう。

エンジニアの転職時の準備

エンジニアにとって、今や転職は珍しい時代ではなくなりました。

多くのSIerでも人の入れ替わりが激しい時代です。

しかしプロジェクトは各エンジニアの労働量によって進捗が決められています。

何もしないままプロジェクト途中から年休取得で休み、そのまま退職などしようものなら、プロジェクトどころか所属会社も大変なことになります。

そんな事態を防ぐためにも転職時の準備は入念に行い、円満退社を目指すべきです。

入社可能日を検討する

転職活動での面接では必ず入社可能日を聞かれます。

その際、退職者が所属しているプロジェクトの進捗状況、そして引き継ぎや年休消化の時間を勘案した上での入社可能日を決定する必要があります。

晴れて内定をもらって退職の意思を固めたならば、速やかに所属会社へ申告しなければなりません。

会社はそれに代わる人材、プロジェクトを統括している会社や関連会社などとの調整および、社内の総務関連の手続きを進める必要があるからです。

労働基準法では2週間前までに申告すればよい旨の記載がありますが、2週間では到底足りません。

また年俸制の場合は3か月前に申告する必要があります。

プロジェクト内での退職準備

退職の意思を伝え会社側も了承すれば、次はプロジェクト内での退職準備に入ります。

退職者は自身で作成したプログラムやドキュメントの内容や場所、それらに付随する資料等をプロジェクト内で共有しなければなりません。

特に身近で共に働いていた人々には、プロジェクトで行ってきたプロセス、そしてその先の展望について具体的に説明しておきましょう。

仕様変更などが発生した場合、プロセスが不明だと非常に大変なことになる場合があります。

また、辞めると言う姿勢を表に出しておくことも大事です。

なあなあで済ませたままでは、周りが退職を意識せず無碍に仕事を振ってしまい、年休消化もできないまま退職日を迎えることもざらにあることです。

自分の中でのプロジェクト所属最終日をきっちり線引きし、年休消化期間に入って転職に備える形がベストです。

引き継ぎで失敗した例

先にも少し書いていますが、引き継ぎで失敗する例は多く、様々な原因があります。

その原因は退職者にある場合と会社側やプロジェクト側にある場合とに分けられます。

退職者に原因がある場合

まず退職者に原因がある場合の1つに、会社へ一方的に退職を告げ何も引き継ぎをしないまま年休消化期間に入り、そのまま退職してしまうケースです。

出社拒否に近いものがありますが、時々見受けられることもあります。

このケースの退職者は多くの場合、電話連絡しようにもつながらず、行方もわからなくなることがほとんどです。

これは 退職者が職場や会社に対して良い印象を持っていないことが原因のようです。

退職者がプロジェクト内で作り上げた成果物について何も説明がないまま、遺跡のように残されていくわけです。

当然、会社や現場は混乱します。ひどい場合には裁判沙汰になることも否めないため、絶対にやめましょう。

残った長期間の年休を消化したいがために、引き継ぎがおろそかになってしまいがちになる場合もあります。

早々と引き継ぎを終わらせようと気ばかりが先走りし、相手が理解しないままに引き継ぎが終わったと判断しても、それは引き継ぎになっていません。

相手の理解が得られないまま退職しても、退職先で相談の電話を受けるようなケースもよくある話です。

会社やプロジェクト側に原因がある場合

また、会社やプロジェクト側に原因がある場合は、執拗な引き留め工作です。

プロジェクトの進捗が中途半端な時期だと、ひと段落するまでの出勤を依頼してくることもよくある話です。

そしてその時期まで引き延ばした挙句、さらに引き延ばそうとすることもあります。

最悪のケースではこのままなあなあで済まされて、転職できなくなるなどの場合もあり得ます。

これを防ぐために、自分の 退職意思を明確に示しておかなければならないのです。

スムーズに退職するには

スムーズに退職する方法は、普段から周りで共に働く人々とのコミュニケーションが大事です。

共にいい関係で働きつつ、仕事状況や成果物について情報を共有しておくことです。

極端に言えば、転職以外で万が一自分がいなくなっても何も問題がないような状況を作っておくことがベスト でしょう。

そのような環境下での引き継ぎは実にスムーズに進むはずです。

そしてもちろん、所属する会社についてもよい関係を築いておくことが賢明です。

プロジェクト内での引き継ぎをうまく終えることができれば、仲の良かった人々からは名残惜しがられますし、自分にとってもプロジェクトで働いた意義を持つことができるものです。

一期一会の関係とは言え今後のことも踏まえた上での行動は、確立した人間関係を築くことができる可能性もあります。

そのような人物が多ければ多いほど、退職後も非常に力になってもらえる場合もあるのです。

自分自身の転職手続きを忘れずに

忘れがちなのが、自分自身の転職手続きです。例えば健康保険の切り替えです。

多くの人の場合は会社の社会保険に加入しているはずですが、有効期間は年休消化後の退職日までです。

その翌日から転職先に所属するのであれば問題ありませんが、空白期間が発生する場合は国民健康保険への切り替えが必要です。

これを忘れた場合、退職日にさかのぼって請求されてしまいます。

また転職に伴って元の市町村外へ転居も行う場合は、翌年に住民税の請求があることも忘れてはいけません。

退職前にもうひと踏ん張りして残った年休期間を有効に過ごし、次の転職先での仕事のために英気を養いましょう。

エンジニアの業界は狭い!いつ縁があるかわからないので円満退社は重要!

以上、エンジニアの退職準備について解説しました。

エンジニア業界は狭いので、いつどのようなプロジェクトで転職前の会社と一緒に仕事をするかわかりません。

その際に、転職時にトラブルがあって遺恨を残したままでは、プロジェクトが非常に重く感じてしまいます。

そのようなことがないよう転職時は跡を濁さず、円満に退社するように心がけましょう。

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