
エンジニアは様々な企業において重要な役割を果たす職業となっています。
転職市場においても高い需要があります。
では将来的にエンジニアの仕事や人数はどういった状況になっていくのでしょうか。
今後のエンジニアの仕事や転職について解説していきます。
また、年収の変化についても細かく説明するので、エンジニアとして働く方にはうってつけとなっています。
エンジニアの人数変化

エンジニアは2009年度調査によると77.1万人となっており、その後2010年は76.6万人、2011年77.8万人、2012年79.6万人と推移しています。
基本的に増加傾向にあるといえるでしょう。
2010年のみやや減少していますが、これはリーマンショックの影響とされます。
2014年には84.1万人、2015年は85.4万人、2016年は88.6万人となっており、どんどん増えているのが昨今の傾向です。
需要に対してエンジニアの増加が追い付いていない
これはエンジニアを志望する方が増えているということですが、エンジニアの数はそれでも足りていないという問題が発生しています。
経済産業省が公開しているIT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果によると、2016年のエンジニアの不足人数は約19.5万人となっており、人材不足が顕著になっているといえます。
2015年のエンジニアの不足人数は17万人ほどでした。
2015年から2016年にかけてエンジニアの数は2万人以上も増加しているにも関わらず、2015年よりも2016年の方が一層人材不足となっています。
この傾向は2015年と2016年だけではなく、近年常に続いているのが実際のところです。
企業からの需要に対してエンジニアの増加が追い付いていない現状は今後も続いていくと推測されています。
2020年にはエンジニアの供給人数が約92万人となるとされる一方、不足人数は約30万人になるという試算があります。
2025年になるとエンジニアの減少が始まり、供給人数が90万人となります。
しかし、企業からの需要の増加は止まらず不足人数は約43万人となってしまいます。
2030年にはエンジニアの供給人数が85万人ほどになり、約60万人の人材不足が発生するとされます。
もちろん、これらの試算が必ずしも完璧に当たるとは限りませんが、人口減少や少子化に基づいた経済産業省による試算なので正確性は高いといえるでしょう。
エンジニアを積極的に雇うための動きが活発化する
経済産業省の試算によるとエンジニアの増加は2020年から2025年の間にストップし、その後は減少していきます。
一方で企業の人材不足は深刻化していくので、業界全体としてはエンジニアを積極的に雇うための動きが活発化すると推測できます。
それゆえに好待遇で働けるチャンスはどんどん増えていくといえるでしょう。
特に技術と経験を積んでいるエンジニアは、企業にとって喉から手が出るほど欲しい人材となります。
幅広い需要に対応することの重要性も一層高くなっていきます。
エンジニアの平均年収変化

厚生労働省が発表している情報によるとエンジニアの平均年収は2013年の時点で約600万円でしたが、2014年になると約540万円、2015年には再び約600万円ほどに戻っています。
2016年は約547万円、2017年は約550万円と平均年収が推移していきました。
エンジニアの人材不足は2013年よりも2016年や2017年の方が深刻化していましたが、まだ平均年収に反映されるほどには至っていなかった部分もあります。
それは企業によってエンジニアをどれくらい重視するかについての違いが大きかったことが理由となっています。
今後、ますます人材不足が深刻化していくことでエンジニアを重視して積極的に雇用しようとする企業が増えることにより、平均年収も上がっていくといえるでしょう。

エンジニアの年収は2013年から2017年にかけて550万円前後で推移していますが、全職種の平均は450万円前後なので、エンジニアの平均年収は全体よりも100万円ほど高いことになります。
今後、エンジニアの不足が深刻化すると好待遇を用意する企業が増えていき、全職種との平均年収の開きがどんどん広がっていくといえるでしょう。
エンジニアの仕事は今後どうなる?

様々な分野にAIが導入される中でエンジニアの仕事が今後なくなってしまうかと心配している方もいるかもしれません。
しかし、そのような心配は基本的に無用といえるでしょう。
何故ならエンジニアの仕事の中にはAIに取って代わられない要素がたくさんあります。
システム開発の企画立案はAIではなくエンジニアの重要な役割
その1つはシステム開発の企画立案です。
AIは既存のシステム開発を行うことは得意ですが、人間のように経験と発想力を生かした企画をすることはなかなかできません。
人間でないと出来ない発想がたくさんあります。
プロジェクト管理や要件定義についても同様です。
情勢に合わせて柔軟にプロジェクトを管理したり、要件定義を的確にしたりすることはAIではなくエンジニアの重要な役割となっています。
今後のエンジニアはAIの行えない領域で人間だからこその仕事を行うことが求められます。
繰り返しや順次処理といった部分はAIで24時間体制で行えるようになります。
アイデアの部分やPM(プロジェクトマネージャー)としての役割は人間でないと行うことは出来ないとされます。
つまり、AIを導入が活発になる中でエンジニアが活躍を続けるためには発想力や柔軟性を身につけておくことが重要となります。
エンジニアはAIを管理する立場になる
エンジニアはAIを管理する立場になる可能性もあります。
自分で行う領域と、AIに任せる領域を管理することにより、広範囲の業務を行えるようになります。
人材不足が深刻化しているので、幅広い業務を任せられる可能性が高いといえるでしょう。
エンジニアの人材不足は待遇向上につながる点ではありますが、AIの力を借りないと立ち行かない企業も出てくるかもしれません。
エンジニアはAIと仕事を競合するのではなく、エンジニアがAIを活用するのが今後の働き方になっていく可能性があります。

エンジニアの仕事の今後と転職
エンジニアの人材不足はますます進んでいきます。
それゆえに好待遇を用意して、転職者を歓迎する企業が増える可能性が高いです。
将来的にはAIも導入される分野ではありますが、人間にしかできない部分が多いため、取って代わられる可能性は低いといえるでしょう。
発想力や経験を積んでいるとエンジニアとして活躍を続けやすくなります。