
フリーランスで働きたいという人は業界を問わずに増えてきています。
自由に働けるワークスタイルとして魅力があるのは確かで、エンジニアにも独立して働いている人は少なくありません。
しかし、正社員として働き続けている人も大勢いるでしょう。
どうして独立しようと思わないのでしょうか。正社員として働くメリットを理解しておきましょう。
正社員とフリーの違い
経営者として企業を立ち上げて仕事をしている人もいます。
ここでは典型的な働き方である正社員とフリーランスの違いを考えてみましょう。
正社員の場合

正社員は企業と雇用契約を結び、その就労規則などの社内規定に従って働くことになります。
給与体系として基本給が定められていて、就業規則によって決められている時間に業務に従事していれば毎月安定した収入を手に入れられるのが特徴です。IT企業の場合にはこれに加えて成果報酬を加えている場合もあり、営業系のエンジニアの場合には歩合制を取り入れていることもあります。
業務内容については会社の上層部が決定して割り当てられる形になっているのが特徴で、基本的には従業員に選択権がありません。
適材適所を徹底している企業が多く、やりたい仕事に従事できるかは自分の能力と、同僚の能力を比較して適任と考えられるかどうかに依存します。
正社員は労働基準法などの法律によって労働者としての権利が守られています。
突然解雇されてしまうようなことは原則としてないため、安定して働き続けることが可能です。
残業時間なども厳しい制限をされているため、長時間労働を長期的に課せられ続けるようなこともありません。
また、時間外手当や休日出勤手当などの手当が充実している、年次有給休暇や産前産後休暇がある、社会保険が完備されているなどの法的に必要とされる福利厚生が整えられているでしょう。
企業規模が大きくなると独自の福利厚生も多くなり、住宅手当の支給や育児休暇の充実、各種サービスの優待利用などが盛り込まれていることもあります。
フリーランスの場合

一方、フリーランスの場合には雇用契約を結ぶことはありません。
一事業者としてクライアントになる企業から依頼を受けて業務に従事し、その対価として報酬を受け取るという形で働きます。
報酬体系は案件によって異なり、成果物を納品することで対価をもらえる請負案件もあれば、クライアントの指示に従って業務に従事することにより、毎月一定の金額の報酬を受け取れる委託案件もあります。
請負案件の場合には一般的には勤務時間や勤務場所を拘束されることはなく、期日までに成果物を作り上げられれば構いません。
委託案件の場合にはクライアントのオフィスに通勤する必要があるときもあれば、リモートワークをするときもあります。
フリーランスの特徴
案件は実力に応じて好みで選べるので業務内容に関する自由度が高いのがフリーランスの特徴です。
ただし、案件を獲得できなければ収入が入らず、請負案件の場合には要求に応えられなければ無報酬になることすらあります。
収入を増やせるかどうかはどれだけ単価の高い案件をどのくらいの数こなせるかによって決まるのです。
仕事を休憩することもできるメリットはあるものの、収入が安定しないというデメリットもあります。
また、一般的にはクライアントから福利厚生を提供されることはなく、社会保険なども自分で手配しなければなりません。
税金も自分で確定申告をして納めなければならず、専門外の業務も行わなければならないでしょう。
フリーランスエンジニアは企業と対等な立場で契約を結んで仕事に従事できます。
そのため、契約内容に不満がある場合には交渉することも可能です。
報酬額が低い、自宅で働きたい、正社員と同等の福利厚生が欲しいといった形で交渉するとより良い待遇で働くことができます。
ただ、労働者ではないので労働関係の法律で守ってもらうことはできません。

正社員の年収・フリーの年収
年収について比較すると平均的には 正社員でもフリーランスでも大きな違いはありません。
550万円前後を推移しているのが現状です。
ただし、正社員の場合には年収が比較的安定していて、年齢を重ねるごとに少しずつ高くなっていく傾向があります。
しかし、フリーランスの場合には請け負う案件の種類と数に大きく影響を受けるため、年収の個人差が大きく、必ずしも年齢に比例して増えるというわけではありません。
正社員のメリット

このような違いをもとに考えると正社員として働くメリットは身分が保証されていて安定した収入が得られることだと言えます。
特に毎月一定以上の収入が入ることが保証されている点や、福利厚生が充実していてプライベートの生活も整えやすくなっているのはメリットでしょう。
家族を養っている場合のように仕事に対する不安を抱えたくない場合には正社員として働くのが安心です。
現場によっては残業が多くて仕事が大変になることもありますが、社内エンジニアのようにほぼ定時通りに働ける仕事もあります。
今が成長のときだから必死に仕事をしたいという場合にも、業務量が多くて多岐にわたる仕事に従事できる現場を見つけられます。
ベンチャー企業では特に多くの業務を任される傾向があり、成長盛りのエンジニアにとっては魅力が大きいでしょう。
正社員になったエンジニアは転職することもできます。
どのような仕事に従事したいか、どんなワークライフバランスにしたいかという点は年齢とともに変わっていくでしょう。
転職しやすい職種なので、ライフステージに応じて適切な仕事を選べば納得できる生活を送ることができます。

正社員として働くエンジニアのメリットをよく考えよう
エンジニアは自由に働きたいと考えるとフリーランスをすることを目指します。
しかし、収入の安定性や身分の保証があることを考えると正社員として働くのもメリットが大きいでしょう。
必要に応じて転職をすれば納得できるワークライフバランスを手に入れることも可能です。
福利厚生が充実していて生活を整えやすいのも魅力なので、正社員として働きやすい職場を見つけ出しましょう。