エンジニアには資格はいらないというのは本当か

IT関係の資格には様々なものがあり、多くの人が専門学校や通信教育などで学んでいます。

しかし、実際に現場で働いているエンジニアは資格を持っていないにもかかわらず、しっかりと活躍している人が多いのも事実です。

エンジニアには資格はいらないという考え方もできますが、本当に実力さえ十分にあれば大丈夫なのでしょうか。

エンジニアは実力勝負?

エンジニアは資格の取得のために努力するよりも実力を磨いた方が良いという考え方は強ち間違いではありません。

習得したスキルの高さや幅広さとその活用経験の豊富さが人材としての価値を左右するのがエンジニアの特徴だからです。

同じプログラミング言語を操れるエンジニアでもそのレベルの高さや、開発に携わったことのあるシステムによって人材としての評価には大きな差が生じます。

できるだけ時間と労力をかけてスキルの引き出しを増やし、一つ一つのスキルも深めていくことがエンジニアにとって重要と言えるでしょう。

スキルの組み合わせによってエンジニアは独自性を発揮できるようになり、他のエンジニアには担えない役割も果たせるようになっていくからです。

このようにしてスキルを習得していき、現場で活用する経験を積んでいけば実力も伴うようになります。

その実力の有無によって企業もエンジニアをどのような待遇で採用するかを考えているのは確かです。

戦力となるための実力に比べると資格に対する評価は低くなりがちなので、資格はいらないという考え方が広まっています。

現在ある資格の多くは基礎的な内容のものになっているのも事実で、資格があるからといって一概に優秀だとは言えないというのも資格の価値が低く見られている原因です。

現場経験の有無も問わないものなので、企業としては資格があっても戦力になると安易に期待できません。

転職面接では資格があると便利

このような状況があるため、資格の取得には目もくれないエンジニアもいますが、実は取得しておいた方が良いケースも多々あります。

代表例として挙げられるのが転職するときです。企業としては資格を高く評価していないのなら意味がないのではないかと考えるかもしれません。

しかしエンジニアが実力をアピールする上で資格は重要な根拠になります。

特に職歴からは判断できない能力を持っていることを端的に伝えるのに資格があると効果的です。

プログラミング言語に関する具体例

プログラミング言語に関する具体例で考えてみるとわかりやすいでしょう。

前職ではある言語を主に使ってシステム開発を行っていたけれど他の言語も使えますと言われても、本当に今まで現場で使っていなかった言語も即戦力となるようなスキルなのかを企業側が判断するのは困難です。

しかし、私はこの言語も検定に合格していて実用レベルのスキルを持っていますと伝えれば、確かに一定以上の知識と技術があり、今までの業務経験と組み合わせればすぐに戦力になるだろうと納得してもらえる可能性が高まります。

資格があると伝えるだけで説得力が高まるので、面接を受けるときには資格を取得しておくと役に立つのです。

未経験の分野への転職では資格が有効

資格は特に未経験の分野に挑戦したいときにあると便利です。

未経験の分野への転職では新しい分野で戦力になれるかどうかが大きな問題になります。

その際にその分野のスペシャリストとしての資格や、現場で使っている言語に関わる資格を持っていればポテンシャルが十分に高いと判断してもらえます。

資格取得のための勉強を通して知識も付くので、面接の際の受け答えも的確に行えるようになるでしょう。

転職してからも今までとほとんど同じ仕事か、その延長線上にある業務に携わりたいというときには職歴を見れば実力があると判断できるから資格は不要かと考えるかもしれません。

しかし、大きな実績を上げた経験がない場合には本当に実力があるのかどうかを見極めるのは困難です。

現場で働いて力を付けたから資格を取得できたという形でストーリーを作り、面接でアピールすると効果的でしょう。

ただその業務について即戦力になる能力があると示せるだけでなく、仕事を通して成長を遂げられるポテンシャルも持っていると理解してもらえるからです。

書類で落ちないようにしよう

エンジニアの中には書類選考を通れずに悩んでいる人もしばしばいます。

書類選考の対策を立てるのは転職を成功させるための基本で、もし書類の見栄えが良くないと思ったら資格を一つでも取得しておくのが賢明です。

同じレベルのキャリアを持っている人が応募してきたときには資格の有無でどちらを有力候補にするかを決めるケースもあるので、履歴書に一つは資格を記載できるようにするのが無難と言えます。

実力重視で自分を磨いてきていると職務経歴書の内容は充実するかもしれませんが、履歴書を一目見たときにそれほど魅力的なところが見当たらないケースもあるでしょう。

書類選考ではまず履歴書を見て、興味がある人材なら職務経歴書を熟読するという流れで進められていく傾向があります。

その際に志望先の企業で役に立つスキルがあると示せる資格が履歴書に書かれているだけでどんな人材かもう少し詳しく見てみようと思ってくれる可能性が高まるでしょう。

特にその資格を最近になって取得したのなら、その技術や分野の最新情報に詳しい人材として期待してもらえます。

管理職を目指すなら資格は重要

また、管理職クラスを目指したいという人にも資格の取得は重要です。

管理職はエンジニアとして実務に携われる能力もあるに越したことはありません。

しかし、それ以上にマネジメントスキルやビジネススキルが求められることになります。

特にCTOとして外部との交渉にも携わるようになる場合には名刺に資格を記載して有能な人物だと伝えられるようにするのが重要です。

たとえIT業界内ではシステム開発の実力の有無にそれほど影響しないと思われている資格であっても、肩書きのようにして名刺に記載されていると業界外の人から見ると実力者として認識されます。

そのため、管理職の募集の場合にはどんな資格を持っているかで書類選考をしているケースも多いのです。

エンジニアは実力だけで十分とは限らない

エンジニアは実力があれば働ける職場が見つけられるのは確かです。

しかし、転職をしようとしたときには実力を示す根拠として資格を取得しておくと説得力があります。

未経験の分野に挑戦するときには能力や意欲を示すのに特に有効活用できるでしょう。

管理職を目指すときには書類選考の時点で重視されることも多いので、できるだけ資格の取得をしておくのが賢明です。

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