
転職を行うにあたって、ほとんどの場合で面接は必須のステップです。
エンジニア関連業界も例外ではなく、また、職種特有の内容も問われます。
転職時の中途採用面接では、新卒採用の場合以上に過去の経験や能力について深く訊ねられることも多いでしょう。
では、エンジニアの面接とは、どのような内容で行われるのでしょうか。
エンジニアの転職の流れ

まずは、エンジニアの転職はどのような流れで行われるのかを確認しておきましょう。
中途採用者向けの求人情報サービスに登録する
一般的に、最初は中途採用者向けの求人情報サービスに登録し、求めている条件に合う企業を探し、応募するという方が多いです。
また、そういった転職サービスサイトに掲載されている案件を自分で検索するのみではなく、エージェントと個別にヒアリングや面談を行い、サイトには非公開となっている求人からも、自分にマッチする案件を紹介してもらうこともできます。
後者の場合は、エントリーする書類段階から相談できること、自分からは思いつかなかったような意外な企業の募集に出会えること、エージェントとのやり取りを通し、転職に関する自分の本当の希望に気付くことができる可能性があること、といったメリットもあります。
書類選考~面接
応募後には、書類選考を通過すれば面接が行われます。
内定までには、人事担当者や現場エンジニア・プロジェクトマネージャー、役員など、企業側の異なる立場の方々との数回の面接を通過していくことが、一般的には必要です(比較的小規模なベンチャー系などでは、エンジニアと代表取締役クラスが同席するなどして、一回の面接で採用決定に至ることもあります)。
この中で、給与や勤務開始時期など、雇用条件の交渉や確認をしたいという場合もあるでしょう。
そうしたとき、前述のようなエージェントを介している場合は、本人に代わって、間に入って交渉をサポートしてもらえます。

せっかくの、新天地を求めての転職です。納得できる条件で働けるようにしたいですよね。
そうして、企業と応募者とのお互いの条件が一致すれば、晴れて転職成功です。
面接でコーディング試験は出る?

面接で聞かれる内容の中で、エンジニアに特有であるものといえばコーディング試験です。
しかし、「新卒採用の時にはエンジニア職だが行われなかった」「先に転職した友人の受けた企業では、コードを書くような面接はなかったと聞いた」ということもあるでしょう。
実際に、面接でコーディングの実技試験は出されるのでしょうか?
結論から言えば、「必ずしも全ての企業・募集職種の面接でコーディング試験を実施するわけではない」です。
それではちょっと曖昧ですね。もう少し細かく見ていきましょう。
業務内容による
面接では、「その人の能力が、企業の募集しているポジションに合うかどうか」を見られることになります。
ですから、応募している職種が日頃の業務でコーディングを行うものであれば、そのスキルを確認するために、試験を行うことが多いです。
逆に、一口にエンジニアと言ってもコードを書く以外の能力を必要とするような職種もありますよね。
例えば、社内SE等で既存システムの運用を主としている場合や、インフラエンジニア、プロジェクトマネージャー等でプログラムを書く以外の業務が専門の場合などです。
その場合はいわゆるコーディング試験を行うのではなくて、そのポジションに見合ったスキルに対応した内容を問うことがメインになるでしょう。
ただし、そういったポジションにおいても、応募先の企業が「ITに関わるエンジニアならば、誰にでも最低限は必要である」と考える水準の知識・能力として、コーディング試験を行うこともあります。
企業ごとの特徴では、国内大型SIer等よりも、いわゆるWeb系企業、ベンチャー・メガベンチャー企業等はコードを書くスキルを面接で見ることが多い傾向にあります。
自分の応募したい企業の面接でコーディング試験を行うのかどうか・行うとすればどんな問題を出されるのか、といった情報は、転職エージェントが持っていることが多いです。
その時点では担当エージェントに情報が無くても、訊ねれば探してきてもらえることもあります。

転職面接の対策法

エンジニアの転職面接に関する対策の方法を、ここでは大きく二つに分けてまとめます。
一つは、これまでの業務における経験についての内容への対策、もう一つは、コーディングを含む技術的なスキルについての内容への対策です。
いずれも、ITエンジニアとして中途採用の枠にて転職する際の面接では、どういった企業においてもほぼ確実に聞かれることですから、しっかりと備えて当日に臨めるようにしておきましょう。
これまでの業務における経験についての内容
まず、これまでの業務経験に関してです。
これはエンジニアに限らず転職時には訊ねられる内容ですね。
応募書類として、履歴書以外に職務経歴書を用意しているケースがほとんどですが、面接ではそれを参照しながら自分の言葉で話すことになります。
たとえ書類が手元にあっても、自分自身の経験でも、意外にも口頭でまとめて説明するのは難しいものですから、必ず事前に一度は、面接のつもりで実際に声に出して語る練習をしておきましょう。
また、単純な経験そのものだけでなく、その業務の中で何を身につけたか、何か自分から働きかけて改善したことはあるか、チームとして円滑に業務遂行するために意識・実施したことはあるか、といったことも聞かれます。
これらも改めて、過去の仕事について自分の考えをまとめておきましょう。
コーディングを含む技術的なスキルについての内容
次に、技術的なスキルに関してです。
コーディング試験については、「常日頃から業務内外でプログラムを書いているし、どのような問題が出されてもその場で解ける」というようなハイレベルな方を除けば、事前に勉強・対策しておくと当日に発揮できる能力をアップできます。
文字列操作やソート・探索などの基礎的なアルゴリズムは、確認しておきましょう。
また、もしも面接本番で、問題に対するコードをどう書けばいいか分からない状態になっても、諦めないでください。
その場合にも面接担当者は、解決に至ろうとするための思考や設計方針のプロセスを見ています。
細かい実装が記述できなくとも「この部分で、このような処理をします」など、自分の考えていることを出来るだけ説明しましょう。
コーディング以外にも、ネットワークやデータベースに関する知識、OS・メモリについてや計算量などコンピュータサイエンスの基礎知識、といったスキルもチェックされることがあります。
これらも、自分の応募する企業・ポジションに合わせて対策しましょう。
十分に備えて、満足できる転職をしよう
「面接は企業と個人のマッチングを確認する場」と、しばしば言われます。
しかし、いざ面接となると、独特の緊張感から、本来の実力をうまく発揮できず失敗してしまった…ということもありますね。
それは、企業側も良い人材を逃し、応募者も自分に合う仕事を逃してしまうという残念な結果です。
全力の自分をアピールできるように、事前にしっかり備えて、素敵な転職を成功させましょう。